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〜ルーツを探る〜

■ 阿知須牛(あじす牛)とは

全国から優秀な血統の子牛を導入し、肥育された、未経産去勢の黒毛和種の牛を『阿知須牛』と呼んでいます。生後7ヶ月〜8ヶ月ほどの選び抜いた子牛を導入し、約3年間、農家の手で1頭1頭手塩にかけ、肥育されます。
 優れた資質、行き届いた飼養管理によって日本一の肉牛として数々の大会で入賞し、味のすばらしさは「肉の芸術品」として全国から賞賛されています。
 平成17年度には「新どっちの料理ショー」に特選素材として登場しました。
圧倒的な安定感
 平成16年度全国肉用牛枝肉共励会(以下、枝肉全共)で名誉賞に輝いたのは、山口県の福嶋譲二氏の出品牛であった。 これは枝肉全共の歴史上初となる西日本からの名誉賞であり、山口県という東京ではあまり見られない産地、しかも過去最高の単価1万7012円と枝重568kgを記録し、さらには福嶋氏が当時28歳という若さでの受賞。
 枝肉全共は全国から腕利きの肥育農家が自慢の肥育牛を持ち寄る共励会であり、そのレベルの高さは折り紙付き。過去に2度名誉賞を獲得したのは昭和60年と平成18年の長島勝男氏(茨城県。昭和60年は丹野肥育牛組合として出荷)のみで、連続して入賞することすら難しいと言われている。 名誉賞を受賞すると、その後一時的に枝肉成績が低下するといった、嘘か誠か定かでないジンクスまで囁かれるほどだ。

 この共励会で福嶋牧場は譲二氏と父の経男氏二人で、平成16年から19年まで7頭出品して5頭が入賞(16年名誉賞、17年優秀賞1席、18年優良賞5・6席、19年優良賞8席)と、極めて安定した成績を残している。 また、同牧場が所属する東京出荷組合の共励会・研究会でも3回連続の最優秀賞(平成17年冬、18年夏・冬)、さらには全国和牛能力共進会でも平成14年の岐阜大会では特別賞の脂肪交雑賞、平成19年の鳥取大会では同じく歩留賞を受賞している。
常に楽しく穏やかに
 平成16年度の、枝肉全共名誉賞で福嶋牧場の名は全国に知れ渡った。
そこで一家の方針として決まったのは「日本一になったからといってやり方は変えない。初心に戻って、いつも通りの平常心で牛に接しよう」ということだった。

山口福嶋牛と阿知須牛
 平成18年12月には市場関係者らの勧めを受けて銘柄「山口福嶋牛」を設立するに至っている。以来、東京市場への出荷分については、枝肉に譲二氏がデザインした「ふく」(山口県ではフグを「ふく」と呼ぶ)のスタンプを押し、上場している。
 一方、生産者の福嶋氏は地元では地域名を使った「阿知須牛」として人気を博している。阿知須牛は地元の食肉業者「あじす牧場(株)」が販売元となっており、生産者は福嶋牧場のみというこだわりの銘柄。その評価は高く、県内のホテル・老舗割烹料理などで取り扱われているほか、山口宇部空港・新山口駅でも販売されている。
牛が生活しやすい環境作り
 福嶋牧場では牛舎の環境に非常にこだわっている。風通し、日当たり、周辺環境など、牛舎を作るに当たって考慮する項目は数多い。なかでも風通しの良さ、それもただ風が抜けるだけでなく、「新鮮な風」が吹き込むように、牛舎の向きや構造に工夫を凝らしているという。例えば枝肉全共の名誉賞牛が過ごしていた牛舎は周りに竹林が広がっており、 さわやかな風が吹き込み夏場でも非常に涼しいし、鳥取全共用の出品牛たちは数ある牛舎の中でも「最も新鮮な風が当たる、最高の環境の場所」に、特別にL字形のマス(□だと風から遠い場所が生じるのに対し、どこにいても新鮮な風に当たれる)を設けて肥育されていた。
素牛導入は肥育のスタートライン
福嶋牧場が最も重視するのは素牛の導入である。 素牛導入はいわば肥育の第一歩であり、ここでの失敗はスタートでの大きな出遅れを意味するからだ。同牧場では地元の山口県小郡家畜市場と広島県の三次家畜市場から素牛を導入している。「名簿で血統と体重と日齢を見ただけでこの牛を買おうということは決してしない」とのことで、子牛市場では全ての子牛を実際に見てまわり、時間を掛けて入念にチェックして購買牛を絞り込むという。
 チェック項目は多岐に渡り、血統の特性が出ているか、品位はあるか、角の質は良いか、
 さらには日光浴をさせているか、運動をさせているか、去勢の状態はどうか、病歴はあるかなど、繁殖農家の管理に至るまで事細かに調べ上げる。 とにかく緊張感を持って、疲れるくらい集中して牛を見る」。この徹底した素牛の吟味が、枝肉成績の安定に繋がっていることは間違いないだろう。
 重視しているのは、体型や資質など、福嶋牧場の管理にマッチするかどうか。そのため市場の地域にもこだわりはなく、輸送ストレスが少なく繁殖農家の状況を把握できる近隣市場から導入しているのである。
出荷〜販売まで